平屋建てのコートハウス
2014.3
郊外の住宅街に建つ、ガレージ付平屋建てのコートハウス。
左官職人による搔き落とし仕上の外壁、ガレージから玄関先へと繋がるベイスギ張りの軒天、杉板型枠によるコンクリート打ち放しの腰壁。平屋建てならではの低く構えた伸びやかなファサードとともに、この家の落ち着きと寛ぎに満たされた内部空間を暗示している。
ガラス張りの開放的なエントランスに入ると、ひとつめの中庭が訪れる者を迎えてくれる。足下を苔と割り栗石で仕上げた印象的なこの庭は和室と共有されており、いづれの空間との関係性を崩さぬ様、繊細なデザインが施されている。ふたつめの中庭はリビングとダイニング、キッチンそして書斎によってL字型に囲われた、屋内の延長の様な空間としてデザインした。開口部にはめ込まれた木製サッシは中庭との連続性を保ちつつ、その堅牢さが安心感をもたらしてくれる。
4.5メートルの天井高をもつリビングは、北側のハイサイドウィンドウから取り込まれた柔らかい光で満たされる。しかし、この家のインテリアは徹頭徹尾、腰の据わった落ち着きのある空間が特徴である。
キッチンの天板や扉材に始まり什器類や照明に至るまで、インテリアコーディネーターでもある奥様の美意識が、この家の寛ぎに満ちた空間を決定づけている。岩崎の家の仕事を通じて多くの刺激を受け、様々な事を学ばせていただいた。