湖西の家
2017.5
大規模な造成事業によって生まれた、ゆったりとした住宅地に建つビルトインガレージ付きのコートハウス。
幅員の広い前面道路に対して杉板打ち放しのコンクリートの壁を建て、その背後に左官仕上げの四角いボリュームを組み合わせた。その箱の1つには勾配屋根が掛けられており、跳ね出した軒先は外観のポイントとなっている。
路地をイメージしたアプローチの床にはジャワ島で産出される溶岩石を敷き並べた。スポンジの様に雨水をすい込む柔らかな質感が、この空間に独特の雰囲気をもたらしている。 L字型に折り曲げたLDKではキッチンを中心に据え、一方にはリビングをもう一方にはダイニングを配置した。
リビングには二層分の高さがある吹き抜けを与えた。東方の大開口部はアプローチと同じく溶岩石を敷いた中庭に面しており、切り取られた空の表情とシンボルツリーが、空間に彩りを与える。また吹き抜け上部は二階の各個室を結ぶブリッジに面しており、家族同士の気配を繋ぐ役割を持っている。
生活感を排除した大理石張りのキッチンはダイニングテーブルと一体化する事で、更に伸びやかな印象を与えている。 またそれによりゆとりが生まれたダイニングの脇には、奥様が幼少の頃より愛用しているピアノを設置した。 洗面所と浴室はワンルームで設計し、寄り添う様に専用の中庭を配置した。
真っ新な状態から作り上げられた住宅街に、施主と共に作り上げた湖西の家。装飾を削り、吟味された素材で構成されるこの住宅はこれからも変化し続ける街の中で、マイルストーンの様に変わることなく時を積み重ねていくであろう。