竜泉寺の家
2011.4
はじめて敷地に訪れ敷地の東側に残る雑木林を見たとき、この住宅のプランニングの骨格が決まった。
雑木林と頭上に広がる蒼い空。 名古屋市内にありながら全身で感じる、この自然の雄大さ。そして、その元で営まれる家族の生活。
それらのイメージが、頭の中に明確に立ち現れてきた。
フィルターを掛けるように壁を立てる事で、近隣の住宅やマンションを視界から取り除き、木立と空だけを切取る。そのシンプルな操作によって生み出されるプライベートな住空間は、とても静かな時間が流れる家族だけの特別な空間となっている。
この家の一番の特徴であるリビングの大開口は、雑木林を借景として取込むべく東に向けられている。このプランニングにより直射日光が差込む時間帯が限られ、一日の殆どの時間をカーテンを開け放して過ごす事ができ、この都会に残された自然を目一杯、肌で感じる事ができる。
眩い新緑と青空のコントラストが美しい春。夕立の訪れを告げる雲の流れを感じる夏。紅葉が映える抜けるような秋の空。あるいは物憂げで鈍重な、灰色の冬の空。
適切に配置された収納や機能的な動線はすべて黒子であり、この美しい自然を最大限に活かすようにこの家はデザインされている。