蛇籠の家
2019.5
都筑区の家は文字通り、横浜市都筑区内に建てた都市型住宅である。 前面道路に対して建てたコンクリートの壁は折れ曲がるアプローチ動線を作り、街区からプライベートな空間へ入るための過渡的なスペースを生み出した。 無駄な動線を省いて空間の効率性を上げる事は私の設計上の信条であるが、一方で空間の奥行き、深度をいかに深くしていくかという相反する要素を両立させる事も常に頭においている。 この住宅においてはエントランスに入った後にも、身体を90度づつ二度向きを変えてLDKにアクセスする動線とすることで物理的な広さを超えた奥行きを生み出している。手前からキッチン、ダイニング、そしてリビングへと並べたワンルーム空間ではあるが、吹抜けのあるリビングを一番奥に配置することでその先の空間の展開を期待させる構成とした。また隣家の庭越しに生産緑地である畑へと視線を導くことで、比較的住宅が密集している地域に建っていることを忘れさせるような開放感も得ている。 リビングから折り返すようにして二階へと向かうスケルトン階段の先にはフリースペースと水回り、子供室を配置した。中二階の様な雰囲気のフリースペースへ登ると、階下にリビングを見下ろし更に小さな階段の上に主寝室を見上げる事となる。またここからは収納式のハシゴを上って天井裏へもアクセスすることができる。また水回りに隣接しており、屋内の物干しスペースも兼ねている。 立体的な空間の構成としては、フリースペースがこの家の中心となっていると感じる事ができる。 天気の良い日には主寝室から遠くにランドマークタワーを望む事ができる。
平面的にも立体的にも空間を幾重にも折り重ねることで空間の広がりを最大限に活かしつつ、家族がそれぞれの気配をお互いに感じることができる親密性が高い住宅が完成した。